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柿沼徹『某日の境』

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いつから?


すでにだれかが黙っているので
とても大きな群れになって
鳥が移動していく
見えなくなるまで
(「鳥獣の境」)

昨日は人のためにあるのではない。海が船舶のためにあるのではないように。昨日が「昨日」でなくなり、人の記憶の外に立つとき、はじめて昨日はそれ自体として存在する。水平線の先に必ずあるのに、見えないもの。昨日への眼差しは、不可視的なものへの視線にほかならない。『もんしろちょうの道順』以降、8年ぶりの新詩集。装画=森雅代

本体2300円+税
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-3728-5
2020年10月刊

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