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現代詩文庫『たかとう匡子詩集』


書くことへのたたかい


巨大なユンボの爪が
赤く爛れた空の深さをかきまぜている
空は土になり
土は
戦禍の時を越えた人の胸になり
(「根」)


「けっして夢幻ではない現実の時間の中の現象事象が、今の空気を吸って生きている私の脳裡でずきずき傷んだり、みずみずしい蘇生の雫になったりする」(宇多喜代子)。神戸空襲、阪神・淡路大震災――苛酷な体験と、受難をめぐる書くことの葛藤。カタストロフがはらむ時間の深みへ、ひたむきな模索と達成をあかす。
解説=倉橋健一、新井豊美、山本忠勝、時里二郎

本体1300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1017-2
2018年6月刊

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