田中さとみ『ひとりごとの翁』
.jpg)
目をそらすな
目をそらすな
そのときだ
丸太であたまをいきおいよく殴りつけろ
卍にくずおれたっていい
更地を奏でる おと 聞いて
ひきあてる
(「ひとりごとの翁」)
「奔放な荒ぶるカミの悲しみ、そして生きる強い意志の力が漲っている。そこには同時に詩的救済を求める懸命なとても澄んだ声が流れている」(吉田文憲)。「詩集に登場する多様な生き物の姿がいつしか自分の幼少期に生きた貧しい人たちの影法師と重なっていくような不思議な感覚に捉えられる」(中尾太一)。人ならざる異形を喚び、苛烈に書きすすむ第1詩集。装画=福室みずほ
本体2500円+税
A5判上製・156頁
ISBN978-4-7837-3583-0
2017年9月刊