切断は喪失ではない薔薇のことづてをしるしたこの手首を見よ緑と淡紅色の萌芽のために お前を切ったこの青白い手を(「薔薇の殺意」)「沈黙を言語で表せないか考えている。会話の中の沈黙を受け入れることで人を救うことができた」(あとがき)。五感をとぎすませた詩人は、目の前の自然の風景や記憶のなかから、人生の機微を描写する。生とはなにか、死とはなにか。7年ぶりの新詩集。
本体2300円+税 A5判上製・102頁 ISBN978-4-7837-3543-4 2016年10月刊