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寳玉義彦『Picnic』


それは円い空の悲しみ


詩を書きたければ
逃げろ
詩は
逃げ足の速さだけが取り柄
海辺の家々を破壊して押し寄せる波よりも速く
おまえは辺境の銀河で鳴る口笛の中に飛ばなければならない
(「食傷」)


「暮らしはひどく傷つけられ、私も充分に傷を負ったが、詩を書いているときの私にとっては、震災もひとつの状況でしかない。そういう乾いた目線の中で詩歌、詩は生まれないと信じて歩いてきた」(寳玉義彦「栞」より)。詩人は大震災後の原発事故によって避難を余儀なくされ、故郷を追われた。逃げろ、逃げろと唸りながら――いつしか詩人は、己の行く手に詩の塔を建てる。それは隠喩の力、語のリズムで築く反撃の砦だった。躍動する言葉による、挑発の第1詩集。

本体2,500円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3480-2
2015年7月刊

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