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『粟津則雄著作集 第Ⅹ巻』美術論Ⅱ

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全身的な凝視が捉えた美の伽藍


そこはすでに視覚も聴覚も言葉も渾然となった、全身的と呼ぶほかない詩的体験の場である。彼は感覚を全開にしてその時空に浸っている。そこから文学の言葉が始まるかもしれない。絵画や音楽を語るきっかけが生まれるかもしれない。そうした未分化の濃密な虚空体験が、ジャンルの仕切りなど軽々と超える「仕切りのない感性」の持ち主を生んでいったことは、おそらく確かなことなのである。
(解説=芥川喜好)


古今東西の名作から現代文化まで、幅広い対象に全身で対峙して繰り広げられた豊穣な内面のドラマ。現代の虚ろや美術家の刻苦宿命がなまなましく浮かぶ批評的散文の精華を収める。『私の空想美術館』『日本洋画22人の闘い』『世紀末文化私観』全篇に加え、『近代芸術の意味』『孤立と共鳴』『幻視と造形』から特色ある論考を厳選。装幀=菊地信義

本体7,800円+税
菊判貼函入・624頁
ISBN978-4-7837-2369-1
2015年7月刊

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