行きなさい と誰かの声がうながします 行って水を汲みなさい 霧の奥に流れている水を汲んで来なさい 魚の遡る谷川の水を (「山の上の病院は」) ふいに身のうちに浮かび上がるひと筋の流れ、声なき声。しぶくいのちに寄り添って心身をひらく。夫の死、震災――心に走ったひびも顕わに、10年にわたる詩を編んだ、25年ぶりの新詩集。
本体2,400円+税 A5判上製・96頁 ISBN978-4-7837-3440-6 2014年9月刊