現代詩文庫『尾花仙朔詩集』

夢魔と祈りの大曼荼羅
夢魔と祈りの大曼荼羅
われらの閉ざされた知には
狂気の世界を解きほぐす糸口がみえない
小心な それゆえに横暴な兇器をふるう
権力の腸を裂く手だてがみえない
(「みぎわ、窈窕のかなたに」)
「かくしてわれわれは日本語の詩では困難な、根源的なものと日常的なものとの不思議な合体に接することが出来る」(粟津則雄)。戦後から貫き通した個から普遍の詩学、その日本語の美と宇宙論的文明批評が融合する到達点『有明まで』『春靈』を全篇収録。人類の救済と鎮魂、夢魔と祈りの大曼陀羅。
解説=溝口章、鈴木漠、原田勇男、こたきこなみ、島内景二
本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0985-5
2014年8月刊