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『北川透 現代詩論集成1 鮎川信夫と「荒地」の世界』

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現代詩は何を問うてきたのか


「むしろ、自らの詩の方法や言語感覚と異質な他者の作品ほど、彼は無心にその世界を読み取ろうとする。わからなさを指し示し、それを批判するにしても、わからなさを大事にして、そのまま理解しようとする。……詩を批評する自らの目が、自らの批評言語や概念でがんじがらめに縛られることが何よりも嫌いなのだ。北川透詩論のフェアさがここにある」
――佐々木幹郎(月報より)
「「荒地」周辺をめぐり、ほぼ半世紀にわたって書かれた論の数々。読めば読むほど、引きこまれていく。半世紀。時代も風潮も、変わっていく。著者の論は、その着眼点や論じ方を変化させていく。……詩を書く人、書こうとする人は多い。けれど、他のだれが、詩作品とともにこれだけの詩論を執筆することで同時代の詩とともに歩もうとしただろうか」
――蜂飼耳(月報より)

詩があるがままの姿で批評を孕む――。敗戦後の昏迷から、時代の危機を鋭く表して、同時代の思想と文化を先導した「荒地」の詩人たち。「無名にして共同なる社会」をつくるための「精神の架橋工作」を果敢に実践しつづけた鮎川信夫をはじめ、田村隆一、北村太郎らの詩的言語の画期的意義を論じ、その変容をふまえて未来の再生を予告する。絶えざる現在性の批評として、半世紀にわたって詩論の最も高い稜線を形づくってきた北川透の営為を精選する、待望の集成、刊行開始! 月報=佐々木幹郎、蜂飼耳、黒田喜夫、瀬尾育生。装幀=間村俊一

*『北川透 現代詩論集成』刊行記念 連続公開シンポジウム「詩と批評に未来はあるか 第1回」を開催します!
10月25日(土)15:30より、日本出版クラブ会館にて。
第1部は佐々木幹郎、瀬尾育生、守中高明、蜂飼耳氏による討議、第2部は北川透、松浦寿輝氏による対論です。ご期待ください!


本体5,000円+税
四六判上製・574頁
ISBN978-4-7837-2371-4
2014年9月刊

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