その夜 私は海上にむけて船から去る媼の夢を見た 私は船頭だった 船霊が去っているのだと 黙って背中を見ていた(「船霊」) 暗欝な夢はいつでも還ってくる――。深い闇に立ち尽くす苛烈な現実凝視。生の固有値と時代の亀裂を異刻のうちに剥き出しにする、渾身の仮構詩集。装幀=間村俊一
本体2,800円+税 菊判上製・144頁 ISBN978-4-7837-3371-3 2014年2月刊