詩の本の思潮社

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塚本敏雄『さみしいファントム』

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夜を渡る


さようなら さみしいファントム
歪む街路 痺れが広がっていく夕暮れの街
そして
影をなくした
路上のひとびと
(「さみしいファントム」)


ふいに亡霊があらわれて変わっていく風景、雨のような寂寥のただなか、詩人は、不在の影とともにある無数の生を見つめる。記憶と時の縁に立つ22篇。装幀=稲川方人

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4526-6
2023年5月刊

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大木潤子『遠い庭』

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第61回歴程賞受賞!


空虚な場所に
歌が響く
その唇の
場所を尋ねてゆく


「遠い庭」はこの地上にありながら全く見知らぬ宇宙だ。離れたところで合図を交わし響き合う小さな出来事たちのざわめきに満ちた消失そのものであるような風景が突如顕現する。待望の最新詩集。好評重版!

2750円(税込)
A5判変型並製・144頁
ISBN978-4-7837-4528-0
2023年5月第1刷 2024年2月第2刷

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佐々木洋一『でんげん』

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大丈夫と言う


そこではあたらしい呻きが生まれているはずだ
これまでのいきものがいとしいいとしいと呻いているはずだ
いとしいいとしいと呻いては
いまわしい夜のしじまを生き抜いているのだ
(「あたらしい夜」)


生まれ、歩んで来て、還っていく――。そこに在るものを照らし、これまでからこれからへと運ぶ。零れてしまう生に耳をすます、しずかな筆尖、詩25篇。

2420円(税込)
A5判変型上製・96頁
ISBN978-4-7837-4523-5
2023年5月刊

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近藤摩耶『水晶空間』

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めぐる時


上は久しぶりの晴天 それがこの青み
時も距離も超えて
同じ光と色合い
(「氷晶都市」)


詩人の眼が見つめる風景は、いつもとは少し表情を変え、街では見知らぬ物音が聞こえはじめる。かつてといま、すべてを一心に受け止めて、あらたな世界へと歩みだす新詩集。

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4525-9
2023年5月刊

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