詩の本の思潮社

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新刊情報

谷元益男『越冬する馬』

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魂は残る


銀杏の葉は
丸まった牛の舌のように
男の知らない土地を舐めている
空には
枝のように掛けられた
男の腕から
芽が出はじめている
(「枝」)


「ひとは逝ったきり/かえることはない/わずかな住処を 見つけ/雨をしのぎ ふらつく影は/小屋の前にも/立つ」(「回廊」)。山や田に囲まれた土地で、人が生き死んでいく。それとは見えず聞こえなくとも、確かに在るものへ。深い闇を静かに濃やかに感受し、飾らない言葉で顕していく、詩24篇。

2640円(税込)
A5判上製・110頁
ISBN978-4-7837-3795-7
2022年9月刊

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菊池唯子『青へ』

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遥かなる時と宇宙


やがて月も満ち 氷も溶ける
足もとの人々よ
すこやかな草のように みどりのいのちを
いちどきに 芽吹かせるのだ
(「是川にて」)


「地底湖のゆらめく青に/一千年染められてあれ/そこまでおりてゆくから/「わたし」よ」(「青へ」)。縄文の一万年という分厚い時間が層となる北の地に詩人は立つ。人類史が変わりつつある現在、足もとから澄んだ祈りをくみ上げる。14年ぶりの新詩集。

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4504-4
2022年8月刊

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D.W.ライト編/江田孝臣訳『36 New York Poets ニューヨーク現代詩36人集』

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アメリカ現代詩の現在形


ニューヨークよ、ニューヨークよ
頭に空いた、おセンチな穴ボコくんよ
(ジェイン・コルテス「ニューヨーク、ニューヨーク」)


1920年代生まれから高校生まで、ニューヨークという都市を舞台に、さまざまなルーツ、階層の詩人たちが、ときに怒り、喜び、笑い、謳う。『アメリカ現代詩101人集』に続く、アメリカのいまを伝える現代詩アンソロジー。装幀=戸塚泰雄

この詩集に収録されている詩人:ジャック・アグエロス/シャーマン・アレクシー/ユーラ・ビス/メアリー・ボニーナ/ドナ・ブルック/ジェイン・コルテス/マーティン・エスパーダ/エドワード・フィールド/ジョアナ・ファーマン/ダイアナ・ゲチュ/キャロライン・ヘイグッド/キミコ・ハーン/ロバート・ハーション/キャシー・パーク・ホン/エメット・ジャレット/ヘティ・ジョーンズ/ジョーン・ラーキン/ナターシャ・ル・ベル/ゲーリー・レンハート/キャスリン・リーヴィ/ディック・ルーリー/モートン・マーカス/パブロ・メディーナ/D・ナークシー/マーク・ポーラク/ハーヴィ・シャピロー/エリザベス・スウェイドーズ/ヴァージニア・R・テリス/トニー・トール/ポール・ヴィオーリ/デイヴィッド・ワゴナー/テレンス・ウィンチ/ヨランダ・ウィッシャー/デイヴィッド・ウォルトン・ライト/ビル・ザヴァツキー/ラリー・ザーリン

2420円(税込)
四六判並製・224頁
ISBN978-4-7837-2790-3
2022年8月刊

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