尾世川正明『糸切り歯の名前』
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現代のいろは歌
現代のいろは歌
わたしはその時
光の円のなかで歌手となった
今まで呼ばれていた名前さえ忘れられて
(「歌手」)
「近年、地震やら津波やら疫病やらを経験するうちに、今回の詩集を私流の今様、「歌」だと考えたくなってきた」(あとがき)。多難な日常を生きる、こころの在処。
2640円(税込)
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3742-1
2021年3月刊
わたしはその時
光の円のなかで歌手となった
今まで呼ばれていた名前さえ忘れられて
(「歌手」)
「近年、地震やら津波やら疫病やらを経験するうちに、今回の詩集を私流の今様、「歌」だと考えたくなってきた」(あとがき)。多難な日常を生きる、こころの在処。
2640円(税込)
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3742-1
2021年3月刊
今夜も月の光が磨きあげる海面を
幾千もの影 滑る 走る 飛ぶ
満月が近い
(「兎目」)
「ねばり強く獲得した現実認識をふくめた方法意識によって、あらたな到達点に達した。この結実をさらなる明日へ。尽きることはあるまい」(倉橋健一)。懐かしくも不穏な、ふたしかな場所に足をふみ入れる詩の夢幻劇、32篇。
2640円(税込)
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3743-8
2021年3月刊
時知らずの花に囲まれた
果てしもなく遠い小屋…
二本の草刈り鎌を手に持った
野菜づくりの農婦に聞きたい
まだ、わたしは許されてはいけないのですか
(「風攫いと月」)
「この女童子は、無言で泣いていたのではないか?(…)福井桂子の7冊の詩集に記されてあるのは、そんな秘められた沈黙の、人間に向かっては語れない、まさにinfans(口をきけないもの)としての精霊たちのことばではなかろうか」(吉田文憲)。生家と乳母のいる時知らずの花咲く家をむすぶ道。そこを、ひとりの、無数の私たちの分身である童子が手をひかれて歩いていく。そくそくと、寒さと孤独を身にひそめて。7冊の詩集のほか、インタビュー、童話「もどりみち」を収録。解説=三木卓、新井豊美、野木京子、佐藤恵
1650円(税込)
四六判並製・160ページ
ISBN978-4-7837-1026-4
2021年3月
イヌになったわたしは
う おん
ちいさくほえ
根もとを前脚でほりさげる
わたしの眼に
やにのような泪がうかんでいる
(「感傷」)
「彼女の作品のどの一篇にも、むずかしい詩語、こみ入った比喩、思わせぶりな言いまわし、持ってまわった構文は、まったく無い。それなのに一読、読者は目くるめく謎のまっただ中に抛りこまれる」(高橋睦郎)。第1詩集『樹間』の鮮烈な登場から『無月となのはな』(晩翠賞、日本詩人クラブ新人賞)をへて、これまで6冊の詩集によって、その存在を際立たせてきた詩人による初めての選詩集。解説=粟津則雄、岡井隆、粕谷栄市、三浦雅士、池井昌樹、杉本真維子
1650円(税込)
四六判並製・160ページ
ISBN978-4-7837-1025-7
2021年3月刊
生来、まつろわぬ身
艸をはなれて艸をする身
家郷はすでに異郷だったなんかほっとした、が正しい
(「くさわた」)
「澱を沈め、水は澄み、水は流れる。/そのように、わたしたちも歩いていこう。/立ち止まり、横を見れば、松岡政則の書いた詩がある。/ああ、いい詩だ、わたしの友だ、傷口深くにしみこんでくる」(小池昌代)。『金田君の宝物』(H氏賞)全篇をはじめ、祖々の土地、艸を分け入る歩行が、台湾への出会いに通じる『ちかしい喉』『口福台彎食堂紀行』『艸の、息』など全8冊から代表作を収録。解説=長谷川龍生、阿部嘉昭、中原秀雪
1650円(税込)
四六判並製・160ページ
ISBN978-4-7837-1024-0
2021年3月刊
やすらかに信ずることがあれば
ことばの息をみぢかに感ずる
ある男がひとりで笑ひ
さびしさにやがて消えゆくあゆみ
(「「ない」について」)
「……ゆふぐれ/うつくしい沈黙が/わたしの服を織つてゆく/生きてゐることを確かめるために/ゆびの匂ひをかひでみる」(「ほんの少しの」)。師岡井隆の御霊に捧ぐ、ハイブリッド形式の詩歌(うた)。装幀=中島浩
*この歌集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)
本体1500円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・142頁
ISBN978-4-7837-3747-6
2021年4月刊