詩の本の思潮社

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閻志/竹内新訳『少年の詩』


中国現代詩人シリーズ2(監修=田原)


久しぶりだよ
あたふたとやって来てあたふたと去ってゆくよ
そんなおまえに 樹の名前が言えるか?
もし懐かしむ心が 老いることによるのだとすれば
次に相見えることは期待すべきことか?
 (「少年の詩」) 


1972年に湖北省の小さな町で生まれ育ち、中学時代に文学に傾倒、18歳の時に第1詩集『風雲』を刊行した早熟の詩人は、出版社勤務や新聞記者を皮切りに広告会社、酒造、紡績、学校経営などを経て、40代にして不動産・物流のグループを取りまとめる実業家となる。激動の時代とともに進化を続ける中国現代詩の精鋭詩人の本邦初の訳詩集。

本体2000円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-2782-8
2019年2月刊

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西川/竹内新訳『西川詩選』


中国現代詩人シリーズ1(監修=田原)


真理は公開できない。木霊を持たない思想は、歌うのが困難だ。
怒りは、呪いの言葉の効力を失わせる。
海で遭難した船乗りに羅針盤を与えて何になる?
(「敬意を表す」)


中国現代詩の最先端を疾走し、欧米諸国でも高く評価されている西川の代表的詩集『深浅』『個人好悪』からエッセンスを厳選。現代化とグローバル化が同時進行で訪れた中国において、自らの存在確認のために自分を取り巻く世界へと大きく視点を移したその詩的営為の軌跡と現在を俯瞰する。インタビューと詳細な創作年表を添えた待望の訳詩集、ついに刊行!

本体2500円+税
四六判並製・222頁
ISBN978-4-7837-2781-1
2019年2月刊

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彦坂美喜子『子実体日記 だれのすみかでもない』 


日本語の 尽きない問い


無性生殖ばかりのわれら
    何世代も同じ菌糸体を養い育てています。が、
だろだっでにだなならと毎日変態くりかえし
            くりかえし高等菌類ゆめ見る明日
(「胞子を飛ばす」)


「短歌のリズムを遠い反響のように意識し、時に活用しながら、その切断と連続性の線上から、とてつもなく逸脱する母胎として、〈子実体〉という、摩訶不思議なことばの自働繁殖機を発見してしまった」(北川透)、「そのラジカリズムに畏怖をすら感じざるをえない。今はその混沌をこそ凝視すべきであろう。心ある読み手にどう受けとめられていくか。固唾を飲んで見守るばかりだ」(倉橋健一)。アナーキーでどこまでも逸脱していく異質な声たち。詩と歌の解体/生成へ、詩形をめぐる新たな挑戦、30篇。装幀=髙林昭太

本体2600円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3624-0
2019年2月刊

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