詩の本の思潮社

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北原千代『須賀敦子さんへ贈る花束』


届けられる声


たとえささやかでも、
ほんとうの露を置いた花束をこしらえ、
須賀さんに届けよう――


個人誌で静かに書き継がれた須賀敦子に捧げる13の花束。季節ごとの手紙には、庭のささやかな草花を添えて。第67回H氏賞を受賞した詩人による、初めてのエッセイ集。装幀=伊勢功治

本体2400円+税
四六判上製・158頁
ISBN978-4-7837-3901-2
2018年8月刊

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北條裕子『補陀落まで』


第14回北陸現代詩人賞受賞!


鳥が飛ぶ 白い色が雪灰色で 侵されていくのを 目で追いながら 口はひとりでに偽物めいた 愛を舐める 雨が降ったら あのひとはどこで 濡れるのだろうか
(「半島」)


離れていって、もう戻らないものたち。罅割れた声を巡らせてあのひとへと届ける18篇。装画=井田光圓

本体2200円+税
A5判上製・86頁
ISBN978-4-7837-3617-2
2018年8月刊

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和田まさ子『軸足をずらす』


第34回詩歌文学館賞受賞!


ことばでもからだでもないところが
すばらしい速度で
成長している
(「生きやすい路線」)


「いい人だと思われなくてもいい/いつの間にかこの世にいたが/どこかに軸足をずらす/さみしい方へ傾斜するのだ」(「軸足をずらす」)。切実さをもったユーモアで読者を魅了してきた著者が、さらなる奥行きを獲得した第4詩集。この世界で生きていく、詩29篇。装幀=岡本啓 

本体2200円+税
四六判変型上製・110頁
ISBN978-4-7837-3613-4
2018年7月刊

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大橋政人『朝の言葉』 


いつ聞いても 新しい


岩宿第二踏切の土手の下
その列を見ながら
6時の涼しさの中で
初めての人と
長いこと立ち話をした
(「6時の人」)


「「くらし」に因んで日常生活の中のあれこれを題材とした詩を選んだ」(あとがき)。20行を行き、20行を帰る。詩型の堰から溢れ出る風光に、人間が生きることの懐かしさが漂う。三好達治賞受賞の『まどさんへの質問』につぐ、最新詩集。

本体2400円+税
A5判上製・124頁
ISBN978-4-7837-3616-5
2018年7月刊

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月村香『蜜雪 Quel enthousiasme』


降り積もる言葉の交歓


次いで愛が口からこぼれようとし最初に蜜のように垂れるときそれは蜜雪だ簡単に表現し口にすればこの大地のなんという狂喜よ
(「蜜雪」)


わたしは新しい血が生きること書くことに注がれるのを感じた――日本語とフランス語、重なり合う、二つの詩の言葉の世界。

本体2400円+税
A5判変型上製・94頁
ISBN978-4-7837-3615-8
2018年7月刊

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田中俊輔『実存の架け橋』


第29回日本詩人クラブ新人賞受賞!


おれは天空のイデアを思い
ただ思考のなかでのみ
実存の架け橋を渡る
時空は思考だけが知り
おれの生を照らす唯一の
架け橋である
(「実存の架け橋」)


おまえは何のために生まれてきたか?
山峡の霧深い家で自己をひたむきに問い、脈打つ生を生きる。
未来へと踏み出す希望のために。第2詩集。

本体2400円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3609-7
2018年7月刊

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