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現代詩文庫『田野倉康一詩集』


まるごとの生に


東海道新幹線
下りひかり123号新大阪行
乗り継げば西方へ
氷雨ふる吉野へ
復命すべき何ものもなく
夜半には
来るべき記号へと自らを解く
(「流記」)


「この詩人が杉並区の図書館で30年以上じっと働き続けている事を知ると本詩集の凄みは一層増すだろう!」(小林正人)。共有されるべき何事かをもたず、なおも詩はどのように書かれうるのか。神話から現在までを重層化し、歴史といまを同時に生きぬこうとする、現代詩の果敢な実践。
解説=城戸朱理、長野まゆみ、吉田文憲、杉本真維子

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1007-3
2016年8月刊

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現代詩文庫『暮尾淳詩集』


酔いどれ詩人のまなざし


すたすたすた
だったよなあSよ
たんたんたん
だったよなあAよ
Hはぺったぺったで
Jはどんどんどんだったろうか。
(「雨言葉」)


「くれおじゅんは、よいどれのしをかきつづけてきた。(…)しをいしきしているのに、しをおもわせずしをかいている」(司修)。よれよれぼろぼろの表現に関しては右に出る者なし。『めし屋のみ屋のある風景』から『地球の上で』まで、死者を想い人間を見つめる詩人の生。
解説=秋山清、堀切直人、原満三寿、長嶋南子、久保隆、八木幹夫

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1005-9
2016年7月刊

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現代詩文庫『國井克彦詩集』


生得の抒情詩人、その軌跡


おまえはふりむくな
ぼくが騒々しい連中をみているから
黙つて眠れ
夕やけのようなぼくの背中よ
(「詩」)


「生粋の抒情詩人だ。異論のある読者は、まずいないだろう。(…)その抒情の葉脈には貧血とは無縁の豊穣な詩人の血が生き生きと流れている」(清水哲男)。詩だけによってしか生きてゆけない人間がいる。二度と戻らないものに、魂のひびきを奏でる珠玉の作品群。無償の行為にかけた半世紀を一望する。
解説=井川博年、中上哲夫、高田太郎、八木幹夫、金井雄二

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1004-2
2016年7月刊

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中森美方『最後の物語』


生と死のはざまで


ひとつの一生にはひとつの物語がありさまざまな記憶の体積がある ついには死の訪れとともにすべて消えてしまう
(「記憶の中の彼女」)

前詩集『幻の犬』から2年、生と死、記憶と現在、夢とうつつを往還しながら描かれる17の物語。

本体2,200円+税
A5判上製・92頁
ISBN978-4-7837-3532-8
2016年7月刊

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江田浩司『想像は私のフィギュールに意匠の傷をつける』

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詩と短歌の溶融の試み


美しすぎる否定は生きてゐることの嫌悪を戦慄かせる
目的を演じてゆく、いや、演じることが目的の行為に詩が宿れば……
(「想像は私のフィギュールに意匠の傷をつける」)


「わたしが言葉を生きてゆくために、あなたが憑かれた、いや、生きることのできた無償の「悪」がどうしても必要なのです」(「言葉の内なる旅」)。ダーガー、ベーコン、広瀬大志……。人間存在の業の深さを突きつめ、詩の翼を夜明けへと飛翔させる。装幀=中島浩
*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体1,500円+税
オンデマンド版(ペーパーバック)・116頁
ISBN978-4-7837-3529-8
2016年7月刊

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