詩の本の思潮社

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現代詩文庫『貞久秀紀詩集』

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自意識放下のよろこび


枝とともにゆれる葉は
なぜそこを離れてもゆれやまず、
途切れのない空気をひととおりにおりてくる
道であるのだろう。
(「希望」)


「貞久さんの詩の、その奇妙な世界は、と言ってみて、はて?、と絶句してしまう」(小長谷清実)。清新なウィットに始まり、「明示法」による知覚体験の記述の試みへと至る軌跡。既刊6詩集中『リアル日和』『空気集め』(H氏賞)『石はどこから人であるか』『明示と暗示』を全篇収録。解説=支倉隆子、阿部嘉昭、江田浩司、白井明大

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0991-6
2015年4月刊

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現代詩文庫『江代充詩集』

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この一冊に託された、待望の新集成


まるく手を閉じて
日のなかで不自由の棘を持ちあるく
手指は羽根のある小鳥をまねて動きのままをたもち
わたしはあなたの声である
(「梢にて」)


「江代充の詩篇を読んでいると、いつの間にか、自分が、ふしぎな超越と浄化の時間にいることに気がつく」(粕谷栄市)。『梢にて』(萩原朔太郎賞)全篇をはじめ、第1詩集『公孫樹』から『隅角 ものかくひと』まで、全7詩集から代表作を網羅。飾りのない生の起伏を巡り、書き置かれた途上の歩みを辿る。解説=小川国夫、稲川方人、中村鐵太郎、上田眞木子

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0990-9
2015年4月刊

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現代詩文庫『続続・新川和江詩集』

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80年代から現在までの代表作を網羅


両岸には大都市が繁栄していました
欲望に膨れた腹を剝き出しにした水死人が
浮きつ沈みつ流れてゆくのも目にしましたが
わたくしは尚 一滴の水にかわく者です
(「遠く来て」)


「新川和江の詩との出会いは中学1年の春、教科書の中だった。ぴんと立つ詩句を前に、自ずと背筋が伸びた」(文月悠光)。『ひきわり麦抄』から『はね橋』『潮の庭から』『けさの陽に』『はたはたと頁がめくれ…』『記憶する水』、最新詩集『ブック・エンド』まで――。女性詩人たちを牽引し続けてきた新川和江の現在を伝える。インタビュー=聞き手・吉田文憲

本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0988-6
2015年4月刊

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谷川俊太郎『詩に就いて』

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第11回三好達治賞受賞!


待っていればいい
詩はきっとやって来る
文字に隠れ
声にひそんで
彼方から
あなたのもとに


「詩も人間の活動である以上、詩以外のもろもろと無関係ではいられない。詩を生き生きさせるのは、言葉そのものであるとともに、無限の細部に恵まれたそのもろもろなのではないだろうか」(あとがき)。『二十億光年の孤独』から60余年、あらゆるかたちで詩を問いつづけてきた谷川俊太郎だからこそ書きえた達意の筆尖。新作36篇を収める、著者初めての書き下ろし新詩集! 装幀=毛利一枝

本体1,500円+税
A5判変型上製・94頁
ISBN978-4-7837-3467-3
2015年4月刊

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四元康祐『詩人たちよ!』

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ダンテ、ゲーテから中原中也、伊藤比呂美まで


自分が最後に回帰するのは、国土でも言語でもなく、この無言の海の中心でしかありえない。だが一方、こうも思う。生きている限り、ひとは表層的な言語を発し続けるしかないのだと。それが人間の業であり、同時に倫理的な務めでもあるのだと。そして詩人とは、自らの内部に、無言の海とロゴスの地表とを併せ持ち、そのふたつを往還する存在ではなかったか。(「非分節深層地獄の叛乱」)


初めにありきは言葉?行為?詩ニカカッタ人は、世界をへめぐりながら、いつもいつも詩について考えている。異国にあって独特の視点と語り口で批評を書き継いできた著者の主要詩論を集成。絶対無分節へ――。ドイツ発、沈黙と言葉のはざまで問う、斬新な日本語詩論! 装幀=奥定泰之

本体2,600円+税
四六判並製・322頁
ISBN978-4-7837-1698-3
2015年4月刊

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水田宗子『東京のサバス』

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旅の終わり、束の間の休息


旅に出よう

サバティカルの旅へ
安息日には帰ってくるから――


幾世代にもわたって世界各地で暮らすファミリーの物語を、ナラティブな手法でダイナミックに描き切る。『サンタバーバラの夏休み』『アムステルダムの結婚式』に続く三部作完結。チカダ賞受賞後の最新詩集。絵=森洋子。

本体2,800円+税
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3469-7
2015年4月刊

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川越文子『ときが風に乗って』

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ひかりのあるところへ


時間が風に乗って
行ったり来たりしている。

呼ばれた気がして
ふるんとふり向いた。
覚えのある声のように、思ったが……
(「風に乗って」)


母、娘、孫、少女時代の自分――柔らかないのちに吹く風が、心の水面に幻像をむすぶ。幼い日の結晶のプリズムから生まれた、瑞々しく澄んだ言葉たち。

本体2,300円+税
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3471-0
2015年4月刊

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