現代詩文庫『貞久秀紀詩集』

自意識放下のよろこび
自意識放下のよろこび
枝とともにゆれる葉は
なぜそこを離れてもゆれやまず、
途切れのない空気をひととおりにおりてくる
道であるのだろう。
(「希望」)
本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0991-6
2015年4月刊
枝とともにゆれる葉は
なぜそこを離れてもゆれやまず、
途切れのない空気をひととおりにおりてくる
道であるのだろう。
(「希望」)
本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0991-6
2015年4月刊
まるく手を閉じて
日のなかで不自由の棘を持ちあるく
手指は羽根のある小鳥をまねて動きのままをたもち
わたしはあなたの声である
(「梢にて」)
本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0990-9
2015年4月刊
両岸には大都市が繁栄していました
欲望に膨れた腹を剝き出しにした水死人が
浮きつ沈みつ流れてゆくのも目にしましたが
わたくしは尚 一滴の水にかわく者です
(「遠く来て」)
本体1,300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-0988-6
2015年4月刊
待っていればいい
詩はきっとやって来る
文字に隠れ
声にひそんで
彼方から
あなたのもとに
本体1,500円+税
A5判変型上製・94頁
ISBN978-4-7837-3467-3
2015年4月刊
自分が最後に回帰するのは、国土でも言語でもなく、この無言の海の中心でしかありえない。だが一方、こうも思う。生きている限り、ひとは表層的な言語を発し続けるしかないのだと。それが人間の業であり、同時に倫理的な務めでもあるのだと。そして詩人とは、自らの内部に、無言の海とロゴスの地表とを併せ持ち、そのふたつを往還する存在ではなかったか。(「非分節深層地獄の叛乱」)
本体2,600円+税
四六判並製・322頁
ISBN978-4-7837-1698-3
2015年4月刊
旅に出よう
サバティカルの旅へ
安息日には帰ってくるから――
本体2,800円+税
A5判変型上製・112頁
ISBN978-4-7837-3469-7
2015年4月刊
時間が風に乗って
行ったり来たりしている。
呼ばれた気がして
ふるんとふり向いた。
覚えのある声のように、思ったが……
(「風に乗って」)
本体2,300円+税
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-3471-0
2015年4月刊