栗原知子『ねこじゃらしたち』

待望の第2詩集
待望の第2詩集
絶望ということばすら 贅沢に思えたとき
傍らでは草が揺れていた
私を救わない
けれども心をいざなってやまない
ぼうぼうと広がる 丈高い草が
(「草の中で」)
「前の詩集から十年たったので、捨てられない、と思うものだけまとめることにした。詩は愉しい。あの金銀のハッピーターンみたいなものがいつか書けたらいい。小さな希望はいつまでも捨てないでいようと思う」(「輝けるゴミ(あとがき)」)。ある日、風景が波打った――。変わるもの、変わらないもの。まっすぐに見つめ、思う、しなやかな意志。詩19篇。『シューティング・ゲーム』につづく、待望の第2詩集。
本体2,000円+税
四六判並製・92頁
ISBN978-4-7837-3331-7
2012年12月刊