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柴田千晶『生家へ』

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詩型の情交


我が卵子凍結の夢冬青空

受精卵は左卵管に着床していた。摘出した受精卵を見ることはできなかったが、麻酔の夢の中で私は、小さな喇叭を握る嬰児の手を見たような気がした。
(「喇叭」)

「ここ十年ほど、自作の俳句が内包するイメージと格闘するように詩を書き続けてきた。詩と俳句が遥かなところで強く響き合う、そんな世界を目指して」(あとがき)。俳句の深淵に、散文詩の官能で挑む――二つの詩型の響き合いが提示する、さらなるエロスの世界。俳句作家としても活躍する詩人の、挑戦の第5詩集。装画・挿絵=高橋千尋

本体2,400円+税
四六判並製・128頁
ISBN978-4-7837-3324-9
2012年10月刊

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