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福島泰樹『血と雨の歌』

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死者もまた、思い出の器。


わたなかを漂流しゆくたましいのかなしみふかく哭きわたるべし
学生服に吊られて紫陽花の 窓のむこうに逝きしひとたち
遠いところに戦争が在り父が居りおいでおいでをしている真昼

「70年挽歌宣言」を発して以来、一貫して死者との交流を歌い続けてきた歌人が、60年安保の歳晩敗北死した岸上大作、関東大震災で被災・戦時26歳で逝った若き母、そして西井一夫、小笠原賢二、菱川善夫、立松和平、清水昶ら、時代を共に疾駆してきた死者たちに言問う。震災以後、記憶の再生は可能か。最新エッセー「追憶の震災記」を収録。装幀=間村俊一、写真=西村多美子

本体2,600円+税
A5判上製・168頁
ISBN978-4-7837-3279-2
2011年12月刊