鳩は 俯いたまま 私の欠片を啄み続ける 夕月が照らす ここは わたしたち 瑕疵の領分だから (「南天鳩」) 月の夜 芦騒ぐ湖畔に生まれ、不穏な銀波にあやされ、生きてきた。寂寥ホテルの裏道を猿酒求め 歩いている歳月――。短い詩行に滲む滋味。奥行と陰影、そして優しさ。第13回三好達治賞、第55回歴程賞受賞の『青蚊帳』から7年ぶりの新詩集。装幀=間村俊一+山根佐保 装画=佐中由紀枝
2750円(税込)A5判上製・88頁ISBN978-4-7837-4625-6近刊・予約受付中