雪柳あうこ『骨を撒く海にて、草々』

魂の不在通知
魂の不在通知
波打ち際に落ちていたボールペンを
拾って、絡みつく海藻を払い
書き出す
遠くの海の傍らに住む
あなたへの ことば
(「海際へ」)
読めばどの詩からも、目を凝らすまでもなく、鮮やかな言葉の背後に、それぞれの深みへ届く物語を感じることができる。――松下育男
雪柳さんの詩には、様々な音や声が響く。ときには死者と生者の垣根を越えて強く語りかける。きつく抱擁を交わすように。そのダイナミックな表現で、読者を未知の場所へと導く。ーー文月悠光
第1詩集『追伸、この先の地平より』以後、3年ぶりの新詩集。写真=紫衣
2640円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4503-4
2024年11月刊