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現代詩文庫『藤田晴央詩集』

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雪国がはぐくむ清冽な抒情


今 たましいは
この無数に降りしきる雪にのって
舞い降りているのだろう

まるで湧きでるようね
降りしきる雪を見あげながら
おまえはよくそう言った
今 おまえのたましいも

湧きでている
泉のように
わたしに向かって
子どもらに向かって
(「空の泉」)


優しげな表情に油断してはならない。藤田晴央の詩にはおそろしく深い淵がある。とはいえその詩はだれかを驚かせようとしているのではない。幸せになろうとしているのだ。その詩はなにかを教えようとしているのではない。教わろうとしているのだ。その詩は生きようとしているのだ。――池井昌樹

個から普遍へ、普遍から個へ。『夕顔』(三好達治賞)『空の泉』全篇はじめ、初期詩集から最新詩集までを抄録。清水昶との80年代の対話「文学の「達成」とは?」収録。
解説=新川和江、中上哲夫、伊藤芳博、久保隆

1650円(税込)
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1027-1
2024年1月刊

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