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『岡崎純全詩集』

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北陸の生を蝸牛の如く見つめ築き上げた豊穣な詩風土


ぬりのはげかけた
黒い重箱の
その底から
こんのちの
文字にならない
いびきが漏れる
(「重箱」)


もっとも根源的な福井(北陸)人を語った詩人として、長く記憶されるべき詩人であろうと私には思えてならない。――倉橋健一

岡崎純が生地の民衆の記憶や伝承、世間話、俚諺を背景に、歌い語りの詩法を手堅く手中におさめた時、土地の口承は寓話性を帯びてくる。――金田久璋

岡崎純の詩の世界は娑婆苦に耐えて懸命に生きる人間の魂を慰藉し、深い安堵感をもたらしてくれる。得難い詩である。――広部英一

北陸の農村でくりかえされる寡黙な生と死に寄り添い、その習俗や自然を根に、滋味に溢れた独自の詩風土を築き上げた岡崎純。『重箱』から『寂光』にいたる単行詩集6冊と生前構想の未刊行詩集、単行詩集未収録詩篇361篇を収録。詳細な年譜と解題を付し、その全詩業を一望する。装画=安井美紀子
解説=倉橋健一、定道明、広部英一、笹本淙太郎、金田久璋/年譜・解題=安井杏子編

11000円(税込)
A5判上製函入・672頁
ISBN978-4-7837-2387-5
2023年11月刊

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