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水田宗子『吉原幸子 秘密の文学ーー戦後女性表現の原点』

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世代を超えたフェミニズム


戦後批評は、女性の内面を捉える思想を無視してきただけでなく、世界的に共通する性差別と戦争の暴力が女性に残したトラウマに焦点を当ててこなかった。一九三〇年代に生まれ、五〇年代に書き始めた戦後第一世代の女性詩人に関する批評の欠落は、日本の戦後批評のみならず、二十一世紀の批評に偏りを生じさせている。(「はじめに」)


性規範の外部への逸脱と解放を志向する吉原幸子の表現は、シルヴィア・プラス、大庭みな子といった、20世紀の作家たちが共通して引き受けた差別とトラウマの痕跡であり、表象であった。

日本の戦後批評における女性の不在を鋭く喝破する問題提起の書。

装画=柳澤紀子、装幀=伊勢功治

2640円(税込)
四六判上製・160頁
ISBN978-4-7837-3829-9
2023年8月刊

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