その島の空は夏の隣の六面体。何度夜を迎えても同じ三日月が昇っている。「薄暗いコンコースの電光掲示板の前に立つと、デジタルの時計の数字は24を超えていた。時間はずっと一方通行で、二度とゼロには戻らない」(あとがき)。未来行き列車のターミナルに駆け込んだ詩人が、出発を前にさまざまな思いをはせる。
2640円(税込)A5判上製・112頁ISBN978-4-7837-3759-92021年9月刊