詩の本の思潮社

ホーム新刊情報 > 林美脉子『レゴリス/北緯四十三度』
新刊情報

林美脉子『レゴリス/北緯四十三度』

null


現代のアポカリプス


絶えなく湧き上がる吃音の烙きごてに喉を塞がれ 解読不能の語の刺青(シヌイェ)が口唇に浮かぶ くぐるぐるぶる せめぎのぐ音の苦界に焙られて 氷雪の大地を這う それが鬼火の正体だった
(「冬の鬼火」)

歴史が隠蔽し続けてきた暴力の、加害と被害のメビウス的連鎖をいまここに告発する。屯田兵の末裔という加害者でありながら、一方でジェンダー的抑圧の被害者という二重性を引き受け、それらの狭間を往還しつつ、人類の暴力の歴史とその本性の暗部をえぐり出す。加害したのは誰なのか? 北のトポスから人類の罪科を問う渾身のサーガ。
カバー・扉「屯田兵手牒」写真=著者

2640円(税込)
A5判変型上製・96頁
ISBN978-4-7837-3762-9
2021年8月刊

本のご購入はこちらから