光の息吹
しばらくすると老人は潤んだままの瞳を閉じ
また いつものように眠った
桜の花は その上で
黙って咲いていた(「桜は黙って」)
「絵本と詩は双子のようなものかも知れない。絵本は懐かしく、大らかで、深い世界を持っていますが、この詩にそれを感じます。桜と人間が交流しているような、とてつもない深さが感じられるのです。きっとそこには絵本と詩の故郷があるのでしょう」(鈴木ユリイカ)。第19回伊東静雄賞受賞作品「桜は黙って」収録。舞い降りる光の息吹をとらえた20篇。
本体2,200円+税
A5判並製・92頁
ISBN978-4-7837-3215-0
2010年10月刊