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小笠原茂介『幻の白鳥』

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戦後世代の昂揚と挫折のあわいに


あるとき運悪く 火の球が捕まって…氷の球の縁が燃える…
コロナ…紅炎と純白の…凄まじい光の荘厳指輪――
そのとき地球は どきどきしながら真っ暗で…
遠近の星さえ 燦めきいでて…
(「幻の白鳥」)

深層意識に眠る人類始原の夢を描いた『夜明けまえのスタートライン』で生まれた〈(死者としての)朝子モティーフ〉は、『青池幻想』、『雪灯籠』において、〈愛と死別〉の普遍像として完成された。本詩集は、〈朝子モティーフ〉の原点に立ち戻り、学生時代の朝子との出会いに始まる、1960年以降の反安保世代の昂揚と挫折を背景にした戦後史の一断面として造型された。

本体3000円+税
菊判上製・160頁
ISBNISBN978-4-7837-3733-9
2020年10月刊

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