夢の中に手を差し込んで置き去りにした私をだらりとした腕の消えられない少女を抱き上げて抱えて来たい何度も思う(「消えられないあれを」)私は沈んでいた何かを引き上げることができただろうか。誰かが、胸に抱えたものを、少しでも軽くしてくれたらいい。幼い私と、他の誰かを引き上げる言葉。装幀=コイズミアヤ
本体2200円+税四六判並製・96頁ISBN978-4-7837-3717-92020年10月刊