大野南淀『アラバマ太平記』
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悲歌を軽快な口笛で
悲歌を軽快な口笛で
男がグラスを片手に眺めている
人生の不毛を
移動に変えて、彼らは進むべきだが
農園で汗を流すのも悪くない。
彼らは大きな概念と出会っている。
血液のような色の
(「Ⅱ、辿り着いたミズーリの農園で」)
「リヴァイアサンのごとき、怪物的な書物が現れた。(…)これまでに例のない日本人の日本語によるアメリカ詩を書き上げた」(城戸朱理)、「この旅は自らを追う者を追う旅であり、追いながら逃げつつ焚書を煽る敵を、おれのほうが追跡するのだと宣言している」(村松仁淀)。白いフリーダムトレインがさらなる南を目指すなら――。型破りの傑作長篇詩集!装幀=中島浩、写真=笹久保伸
本体2400円+税
A5判並製・146頁
ISBN978-4-7837-3723-0
2020年9月刊