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永方佑樹『不在都市』


第30回歴程新鋭賞受賞!


かわるがわるの記憶が
あおざめ
時割れてゆく
(「不在都市」)

「切実になると、観察者は自らの根拠(すなわち自信、「わが生」の確信)を喪失し、ゆえに、他の響きを自らの内側に吸い込む。その侵入を許す。そのことによって「交響する何事か」が生じる。永方佑樹はこの『不在都市』で、交響した、交響している、交響させる。絶望的な生の記録は生の意思である。あの子の名前は思い出せないが、思い出せないこの子がここにいる、とわれわれに想起させて、思い出している私は、では、誰だ?」
――古川日出男(本書栞より)

「現代における制作は、多くがそのようなよろこびを求めること、快活さの発明に関わっているように思う。そして制作はつねに潜在するものたちとの関係に根拠をもち、したがって不在物と見えるもの(じつは潜在物)をその場に召喚することにかかっている。永方佑樹が制作する「不在都市」とは、そんな快活な場としての東京の(再)発明だと考えていいだろう。」
――管啓次郎(本書栞より)

土地の記憶を呼び起こす重層化する視線。マルチリンガル詩を含む、現在への果敢な試み。装画・挿画=青野春秋、装幀・組版=中島浩。好評重版!

本体2200円+税
A5判変型並製・130頁
ISBN978-4-7837-3631-8
2018年10月第1刷 2025年2月第2刷

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