現代詩文庫『続・和合亮一詩集』
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カタストロフの後で
カタストロフの後で
ガソリンが切れるか、命が切れるか、心が切れるか、時が切れるか、道が切れるか、俺はまた、一個の憤怒と激情となって、海へと向かうのか。悔しい、悔しい、悔しい、海へ、悔しい、海へ、海へ。
太平洋へ。
激怒する、悲憤する、嗚咽する魂よ。海へ。
海原よ、汝は炎。潮凪よ、汝は炎。水平線、空と海を切り分けよ。黎明。一艘の帆船。
明けない夜は無い。
(「詩の礫」)
解説=藤井貞和、柳美里、大友良英、山内功一郎
本体1300円+税
四六判並製・160頁
ISBN978-4-7837-1019-6
2018年8月刊