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ネーモー・ウーティス/沓掛良彦訳『ギリシアの墓碑によせて』


生者と死者との魂の交感


おお哀れなる者どもよ、なぜいつまでもいたずらに坐しおるか?
家と輪形なす都城の高き頂を捨てて、地の果まで逃れよ。
都城は頭も、胴も、端なる足も、手も、中心も
あますところなく失いて、跡形もなく滅び尽くさん。
(「序詩」)

「夭逝したルネッサンスの無名詩人がギリシアの墓碑に寄せる熱烈な称賛が、ギリシアを愛する東洋の老骨の訳筆によって今ここに蘇る。/リルケを深く感動させ、ゲーテをも落涙せしめたという、生者と死者との魂の交感を永遠に石に刻んだギリシアの墓碑のもつ圧倒的な魅力を詠った無名詩人の詩には、時空を異にするわれわれ日本人の心をもとらえ、揺るがせるものがあるかと思われる」(加部雛子)。四半世紀余り前、滞在中のローマの古書店で、訳者が偶然見つけた小さなアンソロジーに収録されていた、18世紀の宮廷詩人、ネーモー・ウーティスの本邦初の訳詩集。文学史上ではおそらくまったく語られることのなかった幻の詩人の作品が、いま最適な訳者によって甦る。限定300部。布製函入美装本。装幀=中島英樹。発行=大和プレス

本体5000円+税
B5判上製函入・124頁
ISBN978-4-7837-2774-3
2017年5月刊

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