詩の本の思潮社

ホーム新刊情報 > 伊東静雄著・柊和典、吉田仙太郎、上野武彦編『伊東静雄日記 詩へのかどで』
新刊情報

伊東静雄著・柊和典、吉田仙太郎、上野武彦編『伊東静雄日記 詩へのかどで』

null


17歳から23歳、真摯な詩作と思索の過程


ゴーと云うのは風の音か。
近頃人間らしい欲望が身内一ぱいになって来た様だ。
創作をしたいこと。
自分にはその才能があるか。
 
『わがひとに与ふる哀歌』によって、日本近代詩に苛烈なリリシズムを屹立させた詩人・伊東静雄。その高校時代から、京大国文科をへて中学校教員となった頃までの、新しく発見された日記5冊を完全収録。若き詩人が、自己と厳しく向き合いながら書きつづった、学問、恋愛、そして詩作への思い――。編者による詳細な注釈を付す、貴重な新資料。
 
□本書の内容
ノート第1冊 大正13年11月3日―大正14年12月3日
ノート第2冊 大正14年12月4日―大正15年12月2日
ノート第3冊 大正15年11月24日―昭和2年10月7日
ノート第4冊 昭和3年5月25日―昭和4年3月5日
ノート第5冊 昭和4年4月26日―昭和5年6月10日
編注
略年譜
解説 吉田仙太郎
 
伊東静雄(いとう・しずお)
明治39年、長崎県諫早生まれ。佐賀高校文科乙類をへて、大正15年、京都帝大国文科入学、在学中からドイツ文学に傾倒した。昭和8年より「コギト」参加、昭和10年より「日本浪曼派」同人となる。同年、意識の暗黒部に格闘を挑んだ絶唱、第1詩集『わがひとに与ふる哀歌』を発表し、萩原朔太郎に「日本に尚一人の詩人がある」と絶賛される。以後、詩集『夏花』(昭和15年、第5回北村透谷賞)、『春のいそぎ』(昭和18年)で、描写的で平明な詩法へと移行。戦後は、人生的な静謐感をたたえた第4詩集『反響』(昭和22年)を刊行した。昭和28年没。
 

本体7,600円+税
四六判528頁
ISBN978-4-7837-2356-1
2010年3月刊

本のご購入はこちらから

伊東静雄の本
null

『現代詩文庫1017巻 伊東静雄詩集』
 
『わがひとに与ふる哀歌』『夏花』『春のいそぎ』『反響』「『反響』以後」「拾遺詩篇」収録
作品論・詩人論…橋川文三、吉増剛造、角谷道仁、藤井貞和
 

本体1,165円+税
四六判変型160頁
ISBN 978-4-7837-0820-5
1980年6月刊



null

『現代詩読本 伊東静雄』
八月の石にすがりて
さち多き蝶ぞ、いま、息たゆる。
わが運命を知りしのち、
たれかよくこの烈しき
夏の陽光のなかに生きむ。
 
討議=川村二郎×磯田光一×藤井貞和
論考=大岡信、菅野昭正、長田弘、饗庭孝男、菅谷規矩雄、松本健一、桶谷秀昭、粟津則雄、芹沢俊介、飯吉光夫、武田太郎、岡庭昇、保田与重郎、小高根二郎、富士正晴、桑原武夫、庄野潤三、島尾敏雄、野呂邦暢、江藤淳、川副国基
エッセイ=吉川幸次郎、井上靖、小野十三郎、石井庄司、林富士馬、杉本秀太郎、斉田昭吉
資料=萩原朔太郎、百田宗治、頴原退蔵、三好達治、佐藤春夫、大山定一、三島由紀夫
年譜・参考文献=小川和佑
 

本体1,200円+税
A5判273頁
ISBN 978-4-7837-1834-5
1983年8月刊 品切