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清眞人『三島由紀夫におけるニーチェ』
サルトル実存的精神分析を視点として

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なぜテロリズムなのか


私がニーチェについて考え出し集中的な研究にのりだしたのは、そんなに古いことではない。……だが、彼を立ち入って知るにおよんで、私はすぐに誰かを探そうと思った。ニーチェに深く影響を受け、彼の作品の隅々までニーチェの声が木霊しているような作家を。

(あとがき)
 
13歳の少年のときすでに私は、
悪の期限の問題につきまとわれた。
―ニーチェ

なぜ、ニーチェは13歳で「魔の時」を迎えたのか。それは三島由紀夫がニーチェに問いかけた問題でもあった。ニーチェを読む三島を実存的精神分析によって抉り出し、自刃へ帰結する思想的軌跡を鮮やかに浮かび上がらせる。サルトル、ニーチェ、三島を縦横に語りつくし、人間性の深淵たる暴力性に果敢に迫る―文芸批評の新たなる挑戦!
 
清眞人(きよし・まひと)
1949年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(哲学専攻)修了。現在、近畿大学文芸学部教授。本書に深くかかわる著作に以下のものがある。『<受難した子供の眼差し>とサルトル』(御茶の水書房・1996)、『実存と暴力―後期サルトル思想の復権』(御茶の水書房・2004)、『《想像的人間》としてのニーチェ―実存分析的解読』(晃洋書房・2005)。ほかの著書・論文等多数。

本体3,800円+税
四六判390頁
ISBN978-4-7837-1657-0
2010年2月刊

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