誰も住まない 闇のなかで 絵の花が咲き続けている (「夕闇が長い舌を出していた」) 透明な眼差し、研ぎ澄まされた耳によって、つねに、引き受け、受けとめる。これまで語られなかった家族の風景を通して見えてくる重層的な時間。受動の力をしなやかさに変えて、濃密な幼き日の〈私〉を、いまの時空へ解き放つ。写真=コイズミアヤ、装幀=伊勢功治
本体2,800円+税 A5判並製・162頁 ISBN978-4-7837-3441-3 2014年10月刊