――栗はね 花穂を垂れるとき 既に身のうちに虫を抱いているのよ―― (「花かんざし」) 喰いつくされた母の小さな青い実、零落した神々の優しい淋しさ。生きたままの破れ衣を身にまとい、古典に滅びゆくいまを映し詠む。咲いては散り吹雪く因果の花22篇。
本体2,500円+税 A5判上製・110頁 ISBN978-4-7837-3405-5 2014年6月刊