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田中宏輔編訳『LGBTIQの詩人たちの英詩翻訳』


田中宏輔3冊連続刊行、第3弾!


ぼくには友だちがいた――
ぼくたちみんなの友だちだったよね?――
エイズって、ぼくたちが呼んでいたもので亡くなった友だちのことだけど
おぼえてる? その友だちが末期症状のエイズだったときのことを
彼はアーティストだった――
ぼくたちみんなも、そうだったんじゃない?

彼の生前さいごの冬に、ぼくは彼のアパートメントに行った
クリスマスまえで
「休日のバザーで売るガラクタ」って
彼がそう呼んでた売りものの制作を手伝っていた
ぼくは二十歳そこそこで、齢のわりにはまだ幼くて
彼の苦しみに付き合わされることに怖気づいて
彼の感謝の気持ちに気がつかないふりをして
ぼくはうつむきながら、同じ形をした小さな天使の人形たちの色塗りをしていた
それは、どこにでもあるようなつまらない人形だった
(モウ・バウスターン「ぼくも、もう限界かな」より)

L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)、I(インターセックス)、Q(クィア、クエスチョニング)――アメリカで著者も参加して刊行されたアンソロジーを翻訳していくプロジェクト第1弾。セクシャル・マイノリティの詩人たちが国境を越えて繋がり、新しい詩の運動を始動させる。

*この詩集はオンデマンド出版で、アマゾンのサイト(Amazon.co.jp)のみでの販売になります。書店および思潮社営業部での取り扱いはありません。ご注文ごとに印刷製本し、24時間以内に発送、2~3日でお手元にお届けします。送料、印刷手数料等はかかりません。お問合せ=03-3267-8141(思潮社編集部)

本体1,500円+税
A5判変型並製・116頁
ISBN978-4-7837-2764-4
2014年3月刊

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