限りなく微細なかたちを見せ、静かに散りしいてゆく痛みの片々。錆朱の、暗赤色の落葉を胸に受けながら、仄かな空の明るみを眼差に滲ませ、私の身体はひらかれてゆく。(「秋の水辺」) 痛みと失語のなかから言葉をしずかに掬いとり、清らかな泉に注いでいく。木漏れ陽に照らされて水面がきらめくとき、そこから詩が少しずつ滴り落ちる、21篇の散文詩。
本体2,400円+税 A5判上製・104頁 ISBN978-4-7837-3376-8 2013年9月刊