詩の本の思潮社

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湖中千絵『流体に溶けただれかの音楽』

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精神の汽水域


通り過ぎていく人たち、靴の音、コンクリートのにおい、からだの内側にあった宝石たちが存在する外側のこの世界、に存在する、自分自身もその一部であることを。
(「宝石すくい」)


「純白への望み、銀の粉となって、散らばる願い。少女とは、この世の新たな天地創造を奏でる知恵者のことだろうか。湖中千絵は、生まれる前にいたところの暖気や冷気を感じながら、贖罪のようにことばを編み、遠い世界の悦びの響きをいまに重ねようとしている」――井坂洋子
永遠と瞬間、からだと幻想の境界は揺らぎ、文字にならないことばは、さざなみのような歌になる――2025年の「ユリイカの新人」が奏でる第1詩集。装幀=花山周子

2530円(税込)
四六判上製・104頁
ISBN978-4-7837-4636-2
2025年11月刊

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川上雨季『光をつたって』

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第2詩集


ハロー海

そちらの世界はどうですか
そちらの世界は

(「いくつもの海」)


詩集『光をつたって』にある言葉は、 今を生きるその生の断片をあざやかに切りとる。だけでなく、そこにひそむ不安や痛みを生の言葉で浮き彫りにする。川上雨季の詩はこの不安や痛みを光のようにまとってステップを踏みだしてゆく。──朝吹亮二

「せかい」にひらかれたことばは、「光」を伝って、たゆたい、つらなり、はがれ、うつろう。語り手はときに言い澱み、文体は自ずと変化を希いながら、「わたし」と「あなた」との硲を、時明かりのように照らし出す。──井上法子

北陸での生活、能登の大地震、たくさんの傷みを引き受けながら、それでも世界はうつくしい。インカレポエトリ叢書の第2弾として刊行された『節節』から5年ぶり、第2詩集。装画=齋藤春佳 撮影=上野則宏 組版・装幀=佐野裕哉

川上雨季(かわかみ・うき)
1999年神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。第1詩集に『節節』(インカレポエトリ叢書2、2020年、七月堂)、責任編集として『とある日 詩と歩むためのアンソロジー』(2023年、とある日編集部)、同作にて第12回エルスール財団新人賞現代詩部門を受賞。

2530円(税込)
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-4635-5
2025年11年刊

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