詩の本の思潮社

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【近刊・予約受付中】伊藤芳博『星を拾う』

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〈いのち〉瞬く


その娘は星を拾ってくる
わずかでも零してしまったら家にはもどれないいのち
の水の入った木桶を抱えるように
腕のなかをひかりでいっぱいにして
(「星を拾う」)

世界の不条理や絶望をみつめ、祈りを紡ぐ21篇。
前詩集『いのち/こばと』から5年ぶりの新詩集。

伊藤芳博(いとう・よしひろ)
岐阜県生まれ。大学時代、後輩の榊原淳子と同人誌活動を始める。91年『どこまで行ったら嘘は嘘?』(帯文・藤富保男)で福田正夫賞。2003年『洞窟探検隊』は帯文・谷川俊太郎。2020年『いのち/こばと』で中日詩賞。ヨルダン川西岸地区に入域するなどして、パレスチナについても発信している。

2420円(税込)
四六判並製・96頁
ISBN978-4-7837-4617-1
近刊・予約受付中

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【近刊・予約受付中】柴田千晶『イエダマ』

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孤独死とか、
あたしの死を勝手に決めつけないで――


家の中に死体がある
大半は敷布団に仰臥したまま白骨化
あるいはミイラ化しており
凄絶な腐臭を放ち
無残な姿をこの世に晒し続けている

人工島の物流倉庫で働くあたし、
アパートの老姉妹、介護ヘルパー、
ニュータウンの主婦たち、水を売る女.....
漂流物のような彼女たちが流れついた現在。

柴田千晶(しばた・ちあき)
詩人、俳人、シナリオライター。第5回ラ・メール新人賞受賞。詩集に、東電OL殺人事件を題材にした『空室』、藤原龍一郎氏の短歌とコラボした『セラフィタ氏』(第40回横浜詩人会賞)、『生家へ』など。句集『赤き毛皮』(金雀枝舎)、共著『超・新撰21』『再読・波多野爽波』、映画「ひとりね」(馬場當と共同執筆)など。詩誌「DownBeat」「hotel第2章」、俳句誌「街」同人。余白句会メンバー。

2640円(税込)
四六判並製・120頁
ISBN978-4-7837-4618-8
近刊・予約受付中

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久原みな子『生成』

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第1詩集


ひとのたましいは詩を待っている
詩によってしか
目覚めることのできないなにかを

祈りに導かれて、観るもの、聴くものへの応答として。

長い時間をかけて、はるか詩の原郷のようなところからやってきた言葉たち。 その本領は、時には祈りの潜勢にも似た簡潔な文字列の配置のうちに、 私たちの生という生成する運動体を、その「未生の航跡」までも掬いとろうとする。 忍耐の果てにもたらされる恩寵の秘儀に、さあ私たちも立ち会おう。――野村喜和夫

あなたは、詩のことばに呼ばれている。 彼方から、遠い向こう岸から、暗い闇の中から。 それは恩寵であり、祝福でもあるだろう。 あなたも、わたしたちも、生きるために。――高貝弘也

2640円(税込)
A5判並製・112頁
ISBN978-4-7837-4615-7
2025年6月刊

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進藤ひろこ『からだの森のわかれみち』

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もどれない


いけない いけない
そっちはいけない
そのみちいったら もどれない
(「からだの森のわかれみち」)

言葉は、身体は、もっと自由になれる。
『森がたり』から5年ぶりの新詩集。写真=著者

前詩集で森の詩人として存在証明を果たした著者は、さらに歩をすすめる。 「耳の小舟」を曳き、そこに「ことばの子供たち」を乗せ、揺らぎは揺らぎのままに、記憶と現在の交錯のなかを、もはや森さえも抜けて生そのものの奥処へと。――野村喜和夫

身体の隘路でひっそりたたずむ、未生の記憶たち。 時が満ちると言葉の小舟に揺られ、光る音にさそわれて、柔らかな息を溶かしていく。点は果てになり、宇宙は片隅になる。――ヤリタミサコ

2530円(税込)
四六判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4612-6
2025年6月刊

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