詩の本の思潮社

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新刊情報

星隆雄『像年』

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オレマがれ


人さらいのような人
ばかりなら

わたしが書いた人は
人にはならない
(「葡萄紀」)


「見ている(が見ている/わたしは/あまりに顔に/なろうとして/ふたつの幻が/見つめ合う/それは噓でも/本当でもない/奇妙な感じに/髪がのびている」(「カンブリア」)。切断し、逆再生せよ、空のひび割れになるまで――。わたしたちを優しく祟る、17篇の詩。装幀=中島浩

〇同じ著者によって
『オブジェクト』

2530円(税込)
A5判並製・104頁
ISBN978-4-7837-4613-3
2025年5月刊

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北原千代『アンヌたちの庭』

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祈りとともに


陽の鳴るうちに
陽の鳴るうちに
息をわすれ交歓する指と指
(「庭の夢とめざめ」)


人はみな自身のなかに庭を持つ。 アンヌたちに導かれて……3年ぶりの新詩集。写真=Andrea Bielefeld

2640円(税込)
四六判変型上製・88頁
ISBN978-4-7837-4609-6
2025年4月刊

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小林坩堝『落下の夢――vergissmeinnicht』

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――わすれない


たったひと言云って欲しい
「朝焼けがきれいだよ」
           と
(「風船」)


小林坩堝の詩は、時代から追われるもの、抹殺されるもの、瘡蓋として忌避されるものに執着する。それが言語器官としての詩の言葉の揺るがない使命だとでもいうかのように。新しい詩集では、落下――すなわち羽と言語(重力)とのせめぎ合いに、あの《歴史の天使》を召喚する。鮮烈な第一詩集『でらしね』の紅い言語が「魔子」を呼び出したように。――時里二郎

犯罪でない生はない。愚行でない美はない。地上的なものどもは、その足にまとわりつく錘ゆえに、重力を信じてやまず、墜落のために飛ぶ。「もっと醜く」「いちばん美しく」——いま、この詩集を倫理と呼ぶことに躊躇いはない。――五所純子

第1詩集『でらしね』から作品集『小松川叙景』を経て、12年間書き継がれた詩篇からなる最新詩集。組版・装幀=佐野裕哉 装画=高澤伸雄

2420円(税込)
A5判変型並製・96頁
ISBN978-4-7837-4608-9
2025年4月刊

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