詩の本の思潮社

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新刊情報

久谷雉『花束』

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珠のように降る32篇


あなたのために尽くされる
言葉は
降るものでなければならない
(「nymph」)


詩人とは、散文の本当の恐ろしさを知る者たちのこと。改行の根拠が見極めがたくなりつつある詩の現在に、詩人はあえて行分け詩で挑む。いま目の前をすぎる、見たことのない、このうつくしい言葉の風景は――。10代で中原中也賞を受賞した早熟な詩人による、9年ぶりの第4詩集。装幀=清岡秀哉

2530円(税込)
四六判並製・104頁
ISBN978-4-7837-4583-9
2024年7月刊

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丸田麻保子『カフカを読みながら』

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第35回日本詩人クラブ新人賞受賞!


窓もない汽車が
黒い煙を吐きながら到着する
わたしは尻の下の
座面をつかんだ
(「駅」)


読むことに導かれて、言葉はそのまま詩となり、立ちあがる。そう、勤めの間に小説を書きつづけたカフカのように。7年ぶりの新詩集。第2詩集。装幀=山元伸子、装画=鈴木いづみ 

2530円(税込)
四六判並製・112頁
ISBN978-4-7837-4579-2
2024年7月刊

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洞口英夫『一滴の水滴が小鳥になる』

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真の自分を探して


人は魂のヤドリ体
傷ついた魂が人にはいって
人間になるのです
(「人は魂のヤドリ体」)


自分という人間はいったいどのように現れ、どのように消えてゆくのか。いまここにいる自分はほんとうの自分なのか。不死鳥のごとく甦った詩人が、人間の永遠の命題を問う。

2420円(税込)
四六判上製・120頁
ISBN978-4-7837-4570-9
2024年7月刊

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平山弥生『群青の天宙』

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ひと筋の光


仰ぎみん 久方の天の河原
群青の天宙 うち靡く天の河
星の杜白浪清かに 爾 船を漕ぎ出む
聖なる蒼き夜明け
(「群青の天宙」)


「平山弥生の詩は、律儀な日常語のルールが強く排除され、一方に古語が多用される。しかしそれは、古語の踏襲を意味しない。単語も文法も構文も、すべては氏の彫刻のノミによって物体が変容され、縹渺とした魂だけが残る。平山弥生は、魂の彫刻家である」(中西進)。万葉を現代に呼び寄せる、稀なる書物。カバー作品=三田村有純「蒼く輝く宙」(漆芸)

2420円(税込)
四六判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4578-5
2024年6月刊

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網谷厚子『ひめ日和』

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珠のように降る32篇


わたしたちの未来を すでに わたしたちは見ている 水 水 水を ください 沸騰し 拡張していく 夏 逃れようのない 地球
(「水夏」)


古代から近未来まで、強靱なイマジネーションで繰り広げていく「語り」の世界。独自の詩法にさらなる磨きをかけた待望の第11詩集。カバー絵=福地靖

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4573-0
2024年7月刊

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清岳こう『脳神経外科病棟505』

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命の大海 命の記憶


病室の天井には蓑虫が無数にぶら下がっている
牛のよだれは垂れつづけている
(「牛のよだれ」)


脳動脈瘤で入院した詩人が病棟で出逢った、様々な人生をくぐり抜けた人びと。一人ひとりの迸るような生は詩の肉声となり、歴史の大海をわたっていく。生命を諦めない58篇。

2640円(税込)
A5判上製・96頁
ISBN978-4-7837-4581-5
2024年7月刊

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