詩の本の思潮社

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関口隆雄『マニアックにアニマル』

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ユーモアとペーソスと


カバも死にたくなる
でもどうやって
死んだらいいのかわからない
わからない
から 鬱になる
(「鬱」)

となりのおばさん、おばあちゃん、家族、夫婦、そして動物たち‥‥‥。エドワード・リアの「ノンセンスの贈物」にならって書き上げた連作詩集。「あらためて自分の詩を読み直してみて、たくさんの動物が登場しているのに驚いた。私は動物のなかに人間をみているのかもしれない」(「あとがき」)。

2420円(税込)
A5判並製・96頁
ISBN978-4-7837-3721-6
2022年2月刊

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山本育夫『HANAJI 花児 1984-2019』

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乱舞する言葉


こうして、四たび、眼は悼んでいく、眼は、たがねのように、ぶち切りやがて錆びついていく、それから音たてて引き下げる、――。
(「たがねの眼」)

時空を超えて召喚された、飛び跳ね駆けまわり跋扈する花児の物語。その軌跡は身体と交錯し、詩語のゆくえを現在に問う。刊行時吉本隆明の称賛を受けた『ボイスの印象』、30年の時を経て公開された『新しい人』に新作『花児』を加え、いまあらわれる、知られざる3部作の姿。装幀=甘利弘樹

4400円(税込)
A5判上製・360頁
ISBN978-4-7837-3782-7
2022年2月刊

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『新井豊美全詩集』

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没後10年、『牟礼慶子全詩集』同時刊行!


ここにいて
わたしの祈りはただ
眼を閉じるだけ

祈りのための言葉は
 ごくわずかでいい
(「みずうみ」)


戦禍の記憶から

音楽と美術への傾倒ののち、詩誌「あんかるわ」に参加、批評と詩作の両輪で書き続けた新井豊美。高見順賞受賞の『夜のくだもの』はじめ、最後の詩集『草花丘陵』まで、単行詩集全9冊を収録。全512頁、資料集24頁添付。解説=粟津則雄、装幀=井原靖章

【収録詩集】波動/河口まで/いすろまにあ/半島を吹く風の歌/滞空時間/夜のくだもの/切断と接続/シチリア幻想行/草花丘陵

この作者の仕事は、終始強い観念的な志向に貫かれているが、いささかも抽象的ではない。イメージの質に対する柔軟で執拗な凝視を特質としているが、イメージへの倚りかかりは潔癖に拒まれている。――粟津則雄

8800円(税込)
A5判上製・512頁
ISBN978-4-7837-2386-8
2022年1月刊

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