村松英『無言館にて』
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忘れないこと
忘れないこと
たのしいこと心地よいことを
残っている間にしてしまうつもりです
店じまい ですから
(「店じまい ですから」)
「黒田三郎は言った。「幸せな人は、詩を書くな」と。詩は、私が幸せではなかった時の足跡だったかもしれない。出口を見つけられず、前に進めなかった時、「そうだ、詩を書こう」と、いつも頼っていたのが詩だったのだから」(あとがき)。懐かしい人たちの呼び声に耳を澄まし、歳月を刻んで後悔も安堵の心もふくみこんだ生のありようを、かろやかに深みをもって描きだす31篇。
本体2400円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3415-4
2019年3月刊