詩の本の思潮社

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藤井貞和『美しい小弓を持って』


1ミリグラムのうた


震源は
震源は
のたうつ白馬
(…)
爆発 うたの
反原子
半減し
(「のたうつ白馬――回文詩3」)

葉裏のキーボードで、うたは自分を叩いている。声を辞めない、抗いの詩30篇。失語からの快復期の作品を収む、6年ぶり待望の新詩集。装幀=中島浩

本体2400円+税
A5判変型上製・130頁
ISBN978-4-7837-3578-6
2017年7月刊

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榎本櫻湖『Röntgen、それは沈める植木鉢』


どこまで歩いても樹海


けれどもなにかしら、ことばならざることば、換言するならば、ものならざるものへの憧れが、有り体にいってしまえばいたって簡素な嫉妬こそがわたしを捕らえつづけていたのだった、
(「あわれ球体関節ケンタウルス」)

この知らないことば、この読めない文字、この詩はプラズマ――。廃都につづく古道の名前をおしえてくれるのは誰なのか。享楽のリズムに身をまかせ、放蕩をかさねる叛語の地勢図。超自然的エネルギーを放出してやまない、サクラコ新作品集。装幀=金澤一志

本体2600円+税
四六判並製・168頁
ISBN978-4-7837-3576-2
2017年7月刊

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岡本啓『絶景ノート』


第25回萩原朔太郎賞受賞!


一つの模様の一つのホツレにさえ
気が遠くなるほどの手仕事が重なり合っている
ふとはるかな巡礼の予感がある
ながい荒れ狂う季節の刺繍
(「巡礼季節」)

「絶景ノ音、離陸間際のふいの静けさ――。(…)この一冊が、だれかの忘れ物のノートのように、ふとそこに轟音と静けさをもたらしてくれたら」(あとがき)。緑の丘の線、花粉でスれた糸綴じノート。中原中也賞とH氏賞を史上初めてW受賞した詩人、疾駆する第2詩集! 著者自装。

本体2200円+税
A5判変型上製・116頁
ISBN978-4-7837-3575-5
2017年7月刊

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近藤洋太『SSS』


存在することの不安


私は自分が息苦しかった
息苦しくて私なんかこの世からいなくなればいい
そのほうがどんなに楽になるか
でもこんなこと両親には絶対に言ってはいけない話
自分で解決しなければならないこと
(「Ⅵ 卒業」)

SOCIETY FOR THE STUDY OF SUICIDE――表向きには推理小説同好会SSS。存在することの不安をかかえ、生と希死念慮のはざまで揺れる若者たちの、涙のようにひりひりと澄んだ書き下ろし連作長篇詩。装幀=佐々木陽介

本体2400円+税
A5判上製・112頁
ISBN978-4-7837-3577-9
2017年7月刊

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