詩の本の思潮社

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粟津則雄『西行覚書』


俗と聖と美のドラマ


 惜しむとて惜しまれぬべきこの世かは身を捨ててこそ身をも助けめ

かくしてここには、自己からの離脱と自己への集中との、時とともにその度合を増す、鋭く緊迫した、激しい精神の劇が見られるのである。
(「12」)


勇士と数寄者の血脈、道心への傾きと二十三歳での出家。複雑にうつろう時代に生き、矛盾や相反もなまなましく共存させた歌人・西行の全身的な「我が心」への問いと、生き生きとした現実感が融け合った数々の名歌から、若き日の自己形成劇を凝視する。幼年から崇徳院没後の讃岐の旅まで、畢生の長編評論。装幀=菊地信義

本体2800円+税
四六判上製・304頁
ISBN978-4-7837-3801-5
2016年2月刊

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『粟津則雄著作集 第Ⅺ巻 小説・随筆』


著作集全11巻完結!


本巻に収められている諸作は、これまでの対象を他者にもとめてきた批評作品とは異なり、粟津氏がつねに自己と向き合い、自己に問いかけながら生まれてきた独白によって構成されている。長年の内省によって育まれてきた言葉の数々が驚くほど味わい深い、豊饒で成熟した独白となって溢れ出ている異色の断想、随想集である。
(解説=西村 眞)


不定形な現実の手触りを摑み直すため、自己や沈黙との対話のうちに生まれた、新たなる言葉の関係性。幻の短編小説集『暗い眼』『影の女』や、『日本人のことば』『畏怖について など』ほか、言語への天凛の才を縦横無尽に発揮した随想集を収録し、批評家・粟津則雄の業績に新たな光をあてる。著作集全11巻、堂々完結! 装幀=菊地信義

本体7,800円+税
菊判貼函入・624頁
ISBN978-4-7837-2370-7
2016年1月刊

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