詩の本の思潮社

ホーム新刊情報月別リスト > アーカイブ
新刊情報

小池昌代『コルカタ』

null


第18回萩原朔太郎賞受賞!


もし わたしが
怒りを妊娠したら
いつか みずみずしい
真っ赤なスイカを産むだろう
股のあいだを血で染めながら
 
生きた幻影の街が詩人を変える――。「私」への容赦ない視線が裸の存在に突きぬける、小池昌代の新たな跳躍!好評重版。
NHK番組の収録のために2週間滞在した、インドの街コルカタをめぐる詩28篇と散文「コルカタ幻影」を収める。具体性をもった紀行詩を軸に、フィクショナルな幻想作品など、多彩で、かつこれだけそれぞれに余韻を深々と感じさせる作品が、帰国直後に開催された小池氏選書のブックフェアで店頭に掲示するため、期間中毎朝一篇ずつ書かれたというから驚かされる。書くことで前へ前へと進む力が破格のつよさとして表れる一冊だ。
 
小池昌代(こいけ・まさよ)
1959年東京生まれ。詩集に『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞、本阿弥書店)、『対詩 詩と生活』(共著・思潮社)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞・書肆山田)、『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『現代詩文庫174巻 小池昌代詩集』(以上思潮社)など。小説『転生回遊女』(小学館)、『タタド』(表題作で川端康成文学賞・新潮社)、エッセイ『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞・岩波書店)など著書多数。

本体2000円+税
A5判上製・128頁
ISBN978-4-7837-3173-3
2010年3月第1刷 2010年10月第2刷

本のご購入はこちらから

小池昌代の本
null

『現代詩文庫174巻 小池昌代詩集』
 
収録詩集…『水の町から歩きだして』『青果祭』『永遠に来ないバス』『もっとも官能的な部屋』『夜明け前十分』『雨男、山男、豆をひく男』
作品論・詩人論…井坂洋子、飯島耕一、堀江敏幸、角田光代、田口犬男、高橋睦郎
 

本体1,165円+税
四六判変型160頁
ISBN 978-4-7837-0949-7
2003年12月刊



null

『対詩 詩と生活』(四元康祐と共著)
響きあう孤心
 
ボーニフッテモ カマワナイ

 
詩意識と生活意識の豊かな拮抗のうちに言葉を紡ぎ出す名手が、その亀裂と融和そのものを手探りする。交錯する2つのいま・ここ。現代詩のフロントラインに立つ注目の詩人が、矛盾と逆説をもって「私」をひらく鮮烈な試み。
 

本体2,000円+税
A5判140頁
ISBN 978-4-7837-2110-9
2005年10月刊

本のご購入はこちらから

 

伊東静雄著・柊和典、吉田仙太郎、上野武彦編『伊東静雄日記 詩へのかどで』

null


17歳から23歳、真摯な詩作と思索の過程


ゴーと云うのは風の音か。
近頃人間らしい欲望が身内一ぱいになって来た様だ。
創作をしたいこと。
自分にはその才能があるか。
 
『わがひとに与ふる哀歌』によって、日本近代詩に苛烈なリリシズムを屹立させた詩人・伊東静雄。その高校時代から、京大国文科をへて中学校教員となった頃までの、新しく発見された日記5冊を完全収録。若き詩人が、自己と厳しく向き合いながら書きつづった、学問、恋愛、そして詩作への思い――。編者による詳細な注釈を付す、貴重な新資料。
 
□本書の内容
ノート第1冊 大正13年11月3日―大正14年12月3日
ノート第2冊 大正14年12月4日―大正15年12月2日
ノート第3冊 大正15年11月24日―昭和2年10月7日
ノート第4冊 昭和3年5月25日―昭和4年3月5日
ノート第5冊 昭和4年4月26日―昭和5年6月10日
編注
略年譜
解説 吉田仙太郎
 
伊東静雄(いとう・しずお)
明治39年、長崎県諫早生まれ。佐賀高校文科乙類をへて、大正15年、京都帝大国文科入学、在学中からドイツ文学に傾倒した。昭和8年より「コギト」参加、昭和10年より「日本浪曼派」同人となる。同年、意識の暗黒部に格闘を挑んだ絶唱、第1詩集『わがひとに与ふる哀歌』を発表し、萩原朔太郎に「日本に尚一人の詩人がある」と絶賛される。以後、詩集『夏花』(昭和15年、第5回北村透谷賞)、『春のいそぎ』(昭和18年)で、描写的で平明な詩法へと移行。戦後は、人生的な静謐感をたたえた第4詩集『反響』(昭和22年)を刊行した。昭和28年没。
 

本体7,600円+税
四六判528頁
ISBN978-4-7837-2356-1
2010年3月刊

本のご購入はこちらから

伊東静雄の本
null

『現代詩文庫1017巻 伊東静雄詩集』
 
『わがひとに与ふる哀歌』『夏花』『春のいそぎ』『反響』「『反響』以後」「拾遺詩篇」収録
作品論・詩人論…橋川文三、吉増剛造、角谷道仁、藤井貞和
 

本体1,165円+税
四六判変型160頁
ISBN 978-4-7837-0820-5
1980年6月刊



null

『現代詩読本 伊東静雄』
八月の石にすがりて
さち多き蝶ぞ、いま、息たゆる。
わが運命を知りしのち、
たれかよくこの烈しき
夏の陽光のなかに生きむ。
 
討議=川村二郎×磯田光一×藤井貞和
論考=大岡信、菅野昭正、長田弘、饗庭孝男、菅谷規矩雄、松本健一、桶谷秀昭、粟津則雄、芹沢俊介、飯吉光夫、武田太郎、岡庭昇、保田与重郎、小高根二郎、富士正晴、桑原武夫、庄野潤三、島尾敏雄、野呂邦暢、江藤淳、川副国基
エッセイ=吉川幸次郎、井上靖、小野十三郎、石井庄司、林富士馬、杉本秀太郎、斉田昭吉
資料=萩原朔太郎、百田宗治、頴原退蔵、三好達治、佐藤春夫、大山定一、三島由紀夫
年譜・参考文献=小川和佑
 

本体1,200円+税
A5判273頁
ISBN 978-4-7837-1834-5
1983年8月刊 品切